松商学園高校(長野県松本市)が、小中学校で不登校になった子どもたちを主な受け入れ対象とする通信制課程の設置に乗り出した。県内の居住者に入学を限定しつつ、全日制や他校からの転校も受け入れる柔軟な体制を目指す。「進路・キャリア支援に重点を置き、大学進学や就職を実現できるようにしたい」という。
同校の長野雅弘校長らが18日に記者会見し、通信制課程の設置を県に申請したと発表した。認可されれば、来年4月に開設される。
受け入れ対象を県内の居住者に限る狭域制で、修学期間は3年。3学年で240人の定員を予定している。1年を2学期に分けるセメスター制を採用し、秋入学・卒業も可能。全日制や他校からの転校も受け入れるほか、他校に在籍しながら一部の単位を取得する併修もできる。
月2~4回ほど通学して受ける「スクーリング」には松本市県3丁目の同校のほか、同じ学校法人が運営する松本大学(松本市新村)のキャンパスを用いる。大学では自習室や図書館なども利用できるほか、松本大教育学部の学生たちから学習サポートも受けられる。
長野校長は「大学の施設に通うことで、世代の異なる人たちと関わり、進学意欲が増すのではないか」と話す。
将来的には松本大や松商短期大学部の授業の履修や、ゼミ活動などへの参加も可能になるよう検討している。また、不登校生だけでなく、スポーツや文化活動などに力を入れたい子や中山間地に住んでいて通学が難しい生徒の受け入れも想定している。(小山裕一)